いつだって新しい夢を見ていい ~ 次の夢を紡ぐ照明演出 ~

こちらの記事はAqours COUNTDOWN LoveLive! ~WHITE ISLAND~ 二日目のセトリ等のネタバレを含みます。ネタバレが気になる方は、ブラウザバックを推奨します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 みなさま、あけましておめでとうございます!昨年はたくさんの方に本ブログの記事を読んでいただき、大変嬉しく思っております。2021年もよろしくお付き合いいただけたら幸いです。

 

 

 そして、2021年の初日から照明考察をかける喜びがすごい!!!ラブライブ運営に感謝しかありません。Winter Island、めちゃくちゃいいライブでしたね。キャラクターのお誕生日をライブでお祝いするのは、くっすんのお誕生日を祝った5thを思い出してますます嬉しい。本当にいいライブでした。

 

 

 スリリングワンウェイを久しぶりに聞けたのも嬉しかった。新年一発目で一気に盛り上がる曲っていいですよね。ライブの中に二度始まりがあるのは、なんだか一つで二度美味しいみたいな感じでとってもお得感がありました笑

 

 

 さて、前置きもほどほどにして、本題の照明と演出に話題を移しましょう。今回は本公演が初披露の場となったデュオトリオの照明をそれぞれ見てから、全体での演出の考察を紹介していこうと思います!

 

 

 今回のライブでの新曲披露はデュオトリオ曲に加えてFuture flightもありましたが、Future flightの演出については全体の演出と絡めてお話しすることとします。まずはデュオトリオ曲の照明から見ていきましょう。

 

新曲:デュオトリオ曲の照明演出

 

1. Party! Party! PaPaPaParty!

 2日目のデュオトリオ一発目を飾ったのはぐーりんぱ曲のParty! Party! PaPaPaParty!でした。曲の冒頭、配信の画面で見るとステージの天井に設置されたスポットライトの光がちょうど放射状に広がるように向きが調整されていました。おそらくメインステージ天井には(少なくとも)2列のスポットライトが設置されていて、客席から見て後ろ側のライトは真下と左右を、前側のライトは客席側を照らすように調整されていたのでしょう。無観客という特殊な形態でのライブではありますが、配信を通して観客全員が同じアングルから画面を見るという特性を逆手に取って、画面の面白さを追求した新しい演出だったように思います。これをしっかりきれいに抜いたカメラさんも素晴らしいですし、そこへしっかりと位置を合わせているキャストも素晴らしいです。

 

 曲を通しての演出としては結構賑やかな曲であるにもかかわらず、ほとんど照明が動くということはなかったのが印象的でした。スポットライトから出たゴボ(光の模様)が回転することと、強めの白色の照明と、画面に合成された紙吹雪のエフェクトで賑やかさを演出していました。ちなみにこちらのゴボはギルキスのユニットライブの印象が個人的には強い、植物のつるがくるっと巻いているような模様で、少しハロウィンっぽさもあってお祭り感がありましたね。またセンターステージの周囲には円形のLED照明があしらわれていて、その色が緑と赤を交互に照らしていたおかげで、歌詞の中のクリスマス感がしっかりと視覚的にも演出されていました。

 

 2. キモチもユメも一緒だね!

 続いて2曲目はルビまる曲ですね。曲披露前のアニメの振り返り映像は1期4話を中心とした構成で、1期4話大好きマンの私としては最高に嬉しい始まり方でした。曲の演出にはやはりゴボが使われていて、Party! Party! PaPaPaParty!で使われていたツルを巻いたようなゴボに加えて、たくさんの四角をランダムに並べたものを円形に切り取った模様のゴボも使われていました。こちらのゴボは5thライブのNext Sparklingで使われていたものと同じものです。こちらもまた思い出深いものを使ってくれて個人的には大満足でした。

 

 一曲目のParty! Party! PaPaPaParty!と同様にこの曲も照明の動き自体はゴボが回っているくらいで、他の照明は色を添えるのがメインの演出となっていました。センターステージの後方に映っていたメインステージはピンクと黄色の光で彩られ、パフォーマンスが行われているセンターステージには深い青の照明で色を添えて、キャストを白色のスポットライトで抜く構成でした。また、画面に合成された雪の結晶が降り注ぐエフェクトも非常に印象的でしたね。

 

 画面の印象的にはルビまるの色が目立ちますが、メインステージの際に設置された光るアクリルパネルのような照明装置が柔らかく9色のメンバーカラーを提示していたのも印象的でした。デュオトリオの中で唯一一年生のみで構成されたデュオですが、アクリルパネルの色と特別なゴボとで、他のメンバーが一年生二人のステージを見守っているような印象をうけ、Aqoursのあたたかさを感じました。

 

 3. Misty Frosty Love

 つづいて3曲目はようりこ曲。振り返り映像の中にちょくちょく千歌ちゃんが出てきているあたり、どうしてもその3人の関係を思ってしまいますよね笑 曲の途中でもメインモニターに三角形が並ぶシーンがあって、やっぱりそういう三角関係的な話なの???と思わず疑ってしまうほどでした。

 

 ここまでの2曲があまり照明を動かさなかったのとは打って変わって、この曲では冒頭からレーザーがしっかりと動いていました。その動き方も単調な一方向の動きではなく、速いペースでレーザーを左右に振るのを基本として、方向転換をキュッキュッと素早く行っていて、キレのある印象が強かったです。このキレは冒頭のレーザーの動きだけでなく、メロに入ってからのゆったりとしたレーザーの動き、そしてサビ前で差し込まれる一瞬の鋭いレーザーの動きという緩急にも現れていたように思います。斉藤朱夏さんというダンスの本命を擁するデュオのお洒落なダンスナンバーという位置付け的にも、ユニットの特色を強く印象付けていく照明演出でした。

 

 一つ気になったのは、レーザーの光の帯の中を模様が走るように見えたこと。ちょくちょく見る演出ではあるんですが、毎度毎度どういう原理であの見え方が達成されているのか、その仕組みが非常に気になります。

 

 レーザー以外の照明は基本的にステージの色調を青に調整するところに注がれていました。また、使用されているゴボはここまでの2曲とは変わって、小さな白い光の点がたくさん映るものでした。ミラーボールを使って出した光と似たこの光は、単なる雪っぽい印象というだけでなくセイントスノーも連想させますね。

 

 雪の演出ではもう一つ、こちらの曲でも画面に雪の結晶が降り注ぐエフェクトが画面に追加されていました。ルビまる曲ではウキウキするような印象の雪でしたが、ようりこ曲で見る雪の演出は一転して冬の人肌恋しさや物悲しさを思わせました。冬がくれた予感と似たような切ない気持ちが連想されて、同じ演出でも曲調や歌詞によって見え方がかなり違ってくるのが面白いですね。

 

 4. 涙が雪になる前に

 デュオトリオラストはかなまり曲です。こちらの曲の照明は再びシンプルなものに立ち返って、白を基調とした演出でしたね。画面上部にはオーロラのような光の帯がエフェクトで追加されていて、それが画面を単調にしないように色を添えていました。一方で、メインモニターと照明はほとんど白一色に近い状態で、曲名にも入っている雪の印象を強く前へ押し出していました。

 

 ようりこ曲で使われていたゴボがここでも使われており、光の粒をステージ前方から後方へと動くように動かすことで、雪が降り注ぐような印象を作り出していました。同じ照明でも動かし方によって見えかたが変わってくるところは、さすがに観客を飽きさせないプロの仕事が見て取れます。

 

 また涙が雪になる前にの印象的な部分はなんと言っても振り付けではないでしょうか。アニメのシーンをなぞるような振り付けに、誰もが画面に目を奪われたことと思います。直前のようりこ曲では最後の振り付けで曜ちゃんと梨子ちゃんの視線が交差しないように振り付けられていました。正直この振り付けを見た時には文字通り胸が締め付けられるような感覚に陥りました。これとは対照的に、涙が雪になる前にでは、一度は果南ちゃんがマリーのハグを素通りするものの、ハグする前の段階から互いの目を見て言葉を交わすように歌って、曲の終わりをハグで締めるという構成になっていました。かなまりならではの振り付けではありますが、直前の振り付けとの兼ね合いを踏まえるとより一層心に染み渡る振り付けだったなと思います。

 

 

 ここまででデュオトリオの4曲を振り返ってみましたが、デュオトリオパートを一貫してつらぬく演出プランは、直前の曲の演出の一部を使うという点でしょう。1曲目から2曲目で言えばツルが巻いたゴボがそうですし、2曲目から3曲目で言えば画面に合成される雪のエフェクトがそうです。デュオトリオという少ない人数でステージに立つ曲であっても、リレーのようにAqoursの全員はつながっているんだなということがみて取れる演出でした。この点はライブ全体を通して受けた印象とも関わってきますので、これを頭の片隅に起きつつ、今度はライブ全体の演出へと視点を移していきましょう。

 

 

ライブ全体での演出

 

 ここからは今回のカウントダウンライブを通しての印象について話していきたいと思います。

 

 まず結論から述べておくと、今回のライブは「個として輝くAqoursとこれからのAqours」をテーマに、それぞれの夢へ邁進するメンバーを支える絆としてのAqoursという一つの回答を示唆したライブだったなと感じました。そしてその姿を通して、私たちに夢を追う勇気をくれるライブだったとも感じました。ここからは、セトリを追いつつ、それぞれの箇所の演出で自分がどう感じ、この実感に至ったかを時系列的に追いながら、ライブを振り返っていきたいと思います。

 

 聖なる日の光という落ち着いた曲から始まったのが目新しかった今回のライブでしたが、既出の曲の照明演出という部分では、これまでのライブで披露した時との共通点が強く印象に残りました。例えば聖なる日の祈りで言えば、水色と白のレーザーをメインにこれを水平方向へ非常にゆっくりと動かす演出ですとか、ジングルベルは止まらないで言えば照明のメインカラーが赤黄色緑の三色で、これを左右に大きく動かす演出であるところです。使っている装置がムービングスポットライトからレーザーへと変わったというような違いはあれど、これまでのライブとの類似を感じる安定感のある演出がメインだったなと感じました。

 

 ライブを楽しむという観点で言えば、これは決して悪いことではありません。ライブで頻繁に披露される曲の演出が似通っているというのは、一種の様式美がありますし、見慣れた演出からうける会場やキャストとの一体感は、今回のようなオンラインライブでは特に重視される要素だったかなと思います。

 

 一方で、様式に偏りすぎると、今回のライブはどういうライブだったのかという印象が弱くなってしまって、ライブを作り上げる過程でスタッフの方々はこういう点にも非常に注意を払っているのではないかと思います。だからこそ、小さくても今までと変わったなという印象をライブの中で意識的に、あるいは無意識的に観客たちは探しているのだろうと思います。今回のライブで最初にこの小さな違和感を私に与えたのがHappy Party Trainの間奏部分の照明でした。

 

 今回のライブでは、HPTの間奏部、具体的には果南レールが敷かれる前のところでステージ全体の色調をみかん色→桜色→エメラルドグリーン(順番は正直覚えていませんが)と言った具合にそれぞれのメンバーカラーで染め上げていく光の演出がありました。HPTの間奏部分にこれだけ意識を向けるのは初めてなので単純に覚え違いなだけかもしれませんが、これまではムービングスポットライトにメンバーカラー9色をあてがって、それぞれ色を切り替えながらライトを動かすような演出だったと思います。ステージ上の照明装置の一部のみがメンバーカラーを(しかも9色同時に)担当していた演出を、ステージ全体の色調の演出に変えてきた、という印象が強く残りました。

 

 全体の色調をメンバーカラー単色に調整するというのは、ステージがそのキャラクターのものであると言っているようなものです。歌唱パートでメンバー一人が歌っている部分ならまだしも、9人曲の間奏部分でこれをやるのはかなり挑戦的な構成ではないでしょうか。そこから、今回のライブはAqoursというグループのライブであると同時に、高海千歌をはじめとするメンバー9人それぞれのライブであるという風に見せようとしているんじゃないかと考えました。

 

 

 この推測を一歩確信に近づけたのが、デュオトリオ直前の幕間です。起こそうキセキを!の劇伴と共に光るイルカが会場を泳いでいたのが印象的な幕間でしたが、センターステージとその真上についたスポットライトもまたこの幕間の光の演出に参加していました。センターステージ周りに設置されたスポットライトは二本の光が交点を結び、それをリレーのように右から左へとつないでいくように動いていました。一方ステージ上部のスポットライトは全てが画一的に動いていて、地面に当たったライトの点を結んだ円がセンターステージの中央を中心として常に同心円になるように、ステージの周囲に集まっては外側へ散り、散ってはまた集まりというふうに動いていました。

 

 光の交点は出会いの象徴だという話を4thライブの考察でも書きましたが、センターステージ周りの照明はまさにこの出会いとつながりを印象付けてくれます。Aqoursメンバーが出会いを経てつながって、それが一つの円を成している。それはまさに個として独立してなお強い絆として存在し続けるAqoursというつながりを思わせます。

 

 ステージ上部からの光は、集い、そして各々の道へとまた散っていくスクールアイドルのあり方を思わせます。その集いは浦の星の生徒として出会い、Aqoursとして集い、そして卒業を経てまた散っていく彼女たちの姿に重なりますし、散っては集いを繰り返す光の動きには心の中での強いつながりや、あるいは毎年忘年会のような形で顔を合わせるといった姿と重なります。そうしてそれぞれのメンバーがそれぞれの新天地へと根を下ろした後もAqoursという絆があり続ける姿は、これからのAqoursというグループの方向性を暗示しているようにすら思えました。

 

 この幕間の演出を受けて、それを曲の演出としたのが、先ほど記述したデュオトリオの演出となるでしょう。リレーの部分は直前の曲の演出プランを受け継ぐという部分に直結しますし、キモチもユメも一緒だね!の部分に書いたアクリルパネルのメンバーカラーなどは絆として存在するAqoursのあり方という部分に重なってきます。

 

 

 Aqoursのこれからを思わせる演出は5thライブ以降の演出に特に顕著だったように思います。「新しい輝きへと手を伸ばそう」という歌詞と共にアニメラブライブサンシャインのグループとしてのAqoursに一区切りをつけ、それ以降の曲やライブでは今までになかった演出が盛り込まれている点が大きく目立ちました。またライブ演出以外でもFantastic Departureというタイトルをドームツアーのテーマ曲に持ってきたり、このタイミングで各メンバーのソロアルバムをリリースしたりという動きもありました。これらは一重に「新しいAqours」を印象付けると共に、これまでAqoursにかかりきりだったキャストたちがそれぞれの道へと進み始めていることを反映していたように思います。

 

 デュオトリオまでの演出で私が抱いたこの印象を確信へと変えたのが未熟ドリーマーという選曲でした。小宮さんも言っていた通り、そもそもかなまりデュオの直後が未熟ドリーマーだというのはそれだけでかなり印象深いセットリストだと言えます。そこにさらに前述の視点を加えると、もう一つこの選曲に強い意図を感じることでしょう。未熟ドリーマーはアニメでの位置付けで言えば9人のメンバーが揃って初めて披露した曲。いわば、Aqoursというグループの始まりを象徴する位置付けの曲です。まだわからない未来に対して「でも楽しくなるはずだよ」と希望を述べる始まりの歌、それは物語としてのAqoursに区切りをつけて新たな一歩をまさに踏み出そうとしている今のAqoursにぴったりの選曲でしょう。

 

 

 曲を彩る演出という点で言えば、未熟ドリーマーはこれまでの演出をしっかり踏襲した、いわば様式美の演出でした。であるにもかかわらず、ご存知の通りこの曲の後半ではメンバーそれぞれを模した反物の帯がモニターに映し出されます。これまでのライブでは反物で揃えた統一感が際立っていたように見えたのに、今の視点ではむしろ色の違いに目がいって、別々の道を象徴したような背景に見える。視点が違うことで見え方が異なることを肌感覚で伝えてくる、痺れるような演出でした。曲の位置付け上、3年生がピックアップされる部分も多い曲ですが、こうした新しい道への旅立ちという視点で3年生を捉え直すような表現はしっかりと劇場版の内容も踏まえているように感じられて、曲の噛み合い方が神がかっていますね。

 

 

 ここまでですでにAqoursの門出なんだという印象がしっかりついてきたところで、ダメ押しのStep! ZERO to ONEはもはや反則でしょう。モニターで2020→2021と映されているところとか、このダジャレみたいなセンスはめっちゃ好きでしたw しかしこのひょうきんさのヴェールをめくると、Step! ZERO to ONEもまた始まりの曲という要素を多く持っています。1stシングルのカップリング曲であり、Aqours 1st Loveliveのいわばテーマ曲のような存在であり、ゼロからイチへというAqoursの原点を飾る曲。それをこの門出のライブの、しかも新年カウントダウンの直前に持ってくるセトリ、端的に言って至上のセトリと言えるでしょう。

 

 

  Aqoursの新しい一年が今まさに始まろうとしている、そんな強い期待を持たせて旧年を締め括り、ライブは最後の3曲へと向かいます。

 

 新年明けて一曲目がスリリングワンウェイ、二曲目がMY舞☆TONIGHTでした。

 

 観客を一気に最高潮へ持っていくスリワンのイントロ、そこから入る赤と白の照明は、ハードな曲の演出のお約束を踏襲しつつも、紅白で新年を祝い、ダイヤさんのカラーをしっかりと印象付けるものでした。

 

 MY舞も紅白を基調にした照明でスリワンと統一感がとれていますし、ダイヤさんのソロパートもあって、1月1日のライブとしては絶対に外せない曲ですね。MY舞は衣装も和服をモチーフとしていて、曲調も和風ということで、メインモニターには多数の吉祥文様が映し出されていました。お正月と言えば吉祥文様みたいなところもありますし、縁起も良くて2021年本当にいい年になってほしいというスタッフからの願いが込められているようにさえ感じました。覚えている限りでも七宝、入子菱、菱万字は使われていました。この辺りはスタッフからAqoursへの祝福といった風にも解釈できそうです。

 

 また、MY舞の2番で1年生が歌うAメロの部分だけ、メンバーアイコンをあしらったサークルが画面にエフェクトとして追加されました。未熟ドリーマーのところでこれでもかというくらい3年生を印象付けましたが、新年明けてからはこれからの未来が楽しみな1年生を印象付けていく。ちょっとした演出ではあるものの、改めてはじまりを意識させられました。

 

 

 そして満を持して披露されるFuture light。

 

 

 ここまでで新たな始まり、その道を突き進む情熱を見せてきたところで、歌い出しが「心は希望だらけさ」なのが強すぎる。2020年コロナがあって、ライブも中止になったりして、先行きの見えない不安を覚えた人が多数いたことでしょう。私もまたその一人です。その一年をやっと乗り越えたところで「心は希望だらけさ」なんて言われてしまったら、こっちも負けてられないなって思っちゃいますよね。

 

 曲中の照明演出はHPTと同様にメンバーカラーで会場全体を染め上げる演出。メインモニターにはその時その時のパートを歌っているメンバーのアイコンが現れていました。そして歌う人数が複数になると、会場の色とモニターのメンバーアイコンも複数になる。ここにきて初めて、メンバー同士が手を取り合って舞台へ上がることを印象付ける演出を持ってきました。

 

 ここで意識に登るのは、やはりデュオトリオ前の幕間にあった「光の交点をリレーする照明」でしょう。モニター上のアイコンが二つになった瞬間に、納得感にも似た感覚を覚えました。Aqoursのみんなは仲間なんだと。これからは互いに助け合いつつ、それぞれの夢を紡いでいける存在になったんだなと。「アニメ一期放映当時、学年間の絡みが少ないみたいな話あったなあ...そこからここまで仲間として互いを支え合えるグループに成長したんだなぁ...」なんて、少し懐かしい感じさえしました。

 

 

 Future flightの照明演出はステージから伸びる多数のレーザーも目をひきました。水色のレーザーを使った演出は数あれど、この文脈で真っ先に浮かぶのはMIRAI TICKETの演出でしょうか。4thライブの時、Aqoursシップを中心に広く伸びていく無数のレーザーに、彼女たちは何にでもなれるし、どこへだっていけるんだという強い可能性を感じたのを覚えています。今新たな始まりにたった彼女たちの立つステージから伸びる無数のレーザーはあの時とはまた違った夢へと伸びているんだろうと感じさせました。また、レーザーの差す方向があちこち変わる様子は、「次は何をしようか」とワクワク感を胸にいろいろ考えている様子を想像させてくれます。そういった心躍る感覚もまた、この曲がもつ躍動感をさらに印象深くしているのでしょう。

 

 

 こうして振り返ってみると、Aqours初のカウントダウンライブは、まず第一にこれからのAqoursの新たな一歩をさらに強く印象付けるライブだったと言えるでしょう。そしてそれと同時に、感染症の世界的な流行という時勢で下を向いてしまった人々にまた上をむかせるようなライブだったなと思います。私はこのライブを通して、Aqoursのみんなに「私たちは先へ進むよ。あなたはついて来られる?」と問いかけられたような気がします。

 

 彼女たちが新しい夢を追うというのなら、私たちも負けていられませんね。答えはいつだって決まっています。「Yes!!!」と笑って返してやりましょう!!新しい夢を見たくなる、今回のライブは本当にそんな希望に満ちたライブだったなと感じます。そう所感を述べて、考察の締めといたします。

 

 

 以上、長々と書いて9000字強、本当にお付き合いありがとうございました!

 ライブ終わりの興奮と夜更かしの眠気でわかりにくい部分もあったかもしれませんが、少しでもライブ演出が面白いと思っていただけたら幸甚の至りです。

 

 最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。