LoveLight! Online!!アーカイブで楽しむSaint Snowの照明演出!

こちらの記事はSaint Snow 1st GIG ~Welcome to Dazzling White Town~ Day2のネタバレを含みますので、事前情報なしでライブを楽しみたいという方はブラウザバックを推奨します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 みなさま大変ご無沙汰しております。まさけです。この記事が初めてだよという方ははじめまして、まさけと申します。

 

 本日11月8日は僕ラブ27の開催日でもありまして、読者の方の中にももしかしたらイベントに足を運んでくださった方がいるかもしれませんね。改めて僕ラブお疲れ様でした。

 

 コロナウイルス感染症が世界を巻き込む大流行を起こす中、様々なイベントが延期、そしてやがては中止されていく中、ライブもその例に漏れずUnit Live AdventureがAZALEAの回を終えずしてやむなく幕を閉じてしまった時は私も大変心を痛めました。照明ブログを書こうにもライブがないので書くこともできないという日が続き、気がつけば最後の記事から9ヶ月あまりが経ちました。

 

 そんな中、小規模ながらも開催をした僕ラブに参加するたび、以前刊行したAqours 4thライブのブルーレイと一緒に楽しむ照明考察本を手に取ってくれる人がいたことは、非常に大きな心の支えになりました。改めて心より感謝を申し上げます。

 

 さて、未だコロナウイルスは猛威を奮っていますが、一方で感染拡大に配慮しつつもライブイベントが開催されるようになり、オンライン配信、アーカイブ視聴のような新たな鑑賞様式も生まれまして、ついにライブを見れるようになりました。アーカイブが視聴できるため、今回の私のように僕ラブなどのイベントとライブが被っていたとしても後から見ることができる、これは革新的だなと思う次第です。

 

 そして何より、アーカイブで見られるのなら、旬なライブの照明演出を話しても後から確認できるじゃないかということに気が付きまして、今回久しぶりに筆を取りました。これまでこのブログを読んでくださった方々も、この記事から初めてこのブログに触れる方も、この記事を読んだ後にライブを再試聴することがあるならば、その時は自分なりの演出の解釈が形作られる喜びを感じていただければと思います。

 

 少し感傷的に前置きを長くし過ぎてしまいました。本題の照明演出の話に移るとしましょう!今回はライブパートの中で特に印象的だった照明演出と自分の感想を、主に時系列順に話して行こうと思います。

 

 

 

1. Saint Snowムービー、からの登場

 

 時系列順の序列第一位は登場シーンですね!すでにユニットライブ等でもお馴染みとなった登場時の期待感を盛り上げる演出。楽曲をアレンジしたサウンドトラックにセンタースクリーンの映像、そして照明。毎度毎度どのユニットも大好きなんですが、ギルキスとSaint Snowはここがめちゃくちゃかっこいいんですよね。

 

 Saint Snowの今回の登場では、メインステージの階段上と階段下、それぞれの左右に設置されたレーザー装置から放射状に放たれた白い光が互いに交差して、パースのかかったアーガイルのような模様を作るんですが、これがめちゃくちゃカッコよかった。レーザーのくっきりして直線的な光ってとても硬くて冷たい印象を受けるので、Saint Snowのようなハードな曲を特徴としていて、名前に雪を冠するグループにはぴったりだと思うんですよね。例えるなら、雪の結晶が規則正しくまっすぐ枝を伸ばすような印象とでも言いましょうか。

 

 そこからさらにピンクと水色の光を画面に足して、Believe Againを思いっきり意識させてきます。この配色が加わることでSaint Snowくるぞ!っていう期待感が高まりますよね。さらに掛け声に合わせてレーザーを点滅させる演出も加わって、ますます期待感を煽っていく。この手拍子や掛け声を煽るのは通常大光量のハロゲンライトなんかを使うよね〜と思いますが、ここをレーザーに変えてきたのは、新しさもかっこよさも両立していてとてもテンションが上がりました。

 

 

2. White Dazzling Town

 

 セトリの一曲目、そして最後の曲でもあるわけですが、White Dazzling Townの照明も印象的でした。冒頭の照明の色が黄色と紫、それだけで、今までのSaint Snow 楽曲では使われなかった色だと思い、新曲という印象が一気に強まりました。この配色はMVのシーンの配色を意識していると思うので、もしかしたら紫についてはカメラの角度の関係でピンクのライトが紫に見えていたのかもしれません。

 

 しかし、私はむしろ紫だった説を推したい。これは完全に自分の願望なんですが、ラブライブサンシャインのライブイベントで黄色と紫の組み合わせには心当たりがあるんですね。そうその通り、アニサマでやる青空Jumping Heartの照明の配色と同じなんです!青ジャンといえばアニメ一期のオープニングですし、アニサマは言わずと知れた大型ライブイベントですよね。今回のライブはSaint Snowの初めてのライブですし、観客を会場に動員した上でのライブです。だからこそ、物語のはじまりというイメージや観客の存在を意識づけられると、結びつけずにはいられないわけです。

 

 冒頭以降の照明演出でいえば、サビのところで階段上からのレーザーが帯状に広がってステージへ照り付けていましたね。高い場所から打ち下ろすよようなレーザーはラブライブでは比較的新しい演出だと思っていて、ラブライブフェスの果林先輩のパフォーマンスでありましたね。そこでの経験を踏まえているところも過去のパフォーマンスとのつながりを感じて、ラブライブは途切れてなんかいなかったんだという気持ちにさせられました。

 

 またサビ?の「始まれこの場所から」のところに来るとメインステージの前の際に置かれたスポットライトから黄色とピンクをメインにカラフルな光が放たれるんですが、この中に一筋、青色の光も混じっていました。一筋だけ青が混ざっているという光景は(私の記憶が正しければ)4thの想いよ一つになれで似たような演出があったなと思って、これまたステージにはSaint Snowの二人しかいないとしても、Aqoursの9人もまたステージ上の彼女らを応援し支えているんだろうという気がして、素晴らしい構成だなと思いました。

 

3. Crash Mind, Dropout

 

  続いてはアニメ挿入歌よりこの2曲。どちらも赤、青、白の三色を基調とした配色で、Crash Mindではこれに加えてセンターモニターに映ったフレーム映像も加わった画面になっていました。赤青白はラブライブのコンサートでもよく使われる組み合わせではありますが、Saint Snowに関していえばSelf Controlの照明はアニメ映像の時からこの配色ですね。それゆえにSaint Snowが、もっといえば鹿角理亞が転機を迎えるAwaken the PowerやBelieve Again以前という印象が際立つ配色でもあります。今回の二曲はまさにそこを意識しての構成のように思えました。

 

 しかしこの配色はハードな曲調の曲によく用いられている組み合わせで、Strawberry TrapperやLoveless Worldでも使われています。それもあって、特にDropoutとの相性が非常に良くて、Self Controlとの繋がりとかそういう部分を抜きにしても、シンプルにかっこいいという良さがありました。照明はあくまで盛り立て役。キャストのパフォーマンスの魅力を最大限まで引き上げることこそ第一目的であることを考えると、この配色は二重に構えられたとてもいい演出だと感じます。

 

 

4. Lonly Snow Planet

 トークパートを終えての一曲目がLonely Snow Planetでした。この曲の照明は非常にシンプル。ほぼ貫徹して白一色。これは曲を聞かせる演出だと考えてもいいでしょう。実際歌詞がとてもいい曲ですから、非常に正しい選択です。ライトが動いたり点滅したりと、他に気を引く要素がないからこそ、歌詞の魅力が最大限引き立つというのは引き算の美学って感じですよね。

 

 その上で、やはり白という色を選んだのには理由がありそうだとも思います。白のライトはいろんな解釈に繋がりますが、今回は読者の皆さんもすでに想像がついていることでしょう、すなわちこれから何色にでも染まりうる色としての白だと思います。歌詞を見れば、次なる世界、次なる未来、新しい私へという言葉が入っていますし、本を開く振り付けもありました。まさにこの照明の白は、そうした新しい世界に触れる直前の純粋に白紙の状態と言えるでしょう。

 

 これにはやはり5thライブのことが関わっているのだろうと思います。劇場版の曲を惜しみなく披露した5thライブは、多くの人にとってAqoursというグループがアニメという一つの物語のくびきから離れていく印象を与えたことでしょう。そしてそれを裏付けるように、続いて発表されたユニットシングルではそれまでのユニット像を少し覆すような要素が混ざり、ソロアルバムの曲のPVではこれまでとは異なるクリエイターによる映像が付けられています。そして今回の1st GIGのセトリは常に始めと終わりの曲がDazzling White Town、これはユニットライブの時から作られた一種の型を踏襲していますから、このライブもまた新しいラブライブサンシャインプロジェクトの流れの中にあると見るべきなのでしょう。そのように考えると、私がかつてNew Romantic SailorsのライブにAqoursの新たな門出を見たように、このライブもまたSaint Snowというグループの新たな門出を象徴しているのだろうと感じました。

 

5. After The Rain

 

 照明考察最後の曲はAfter The Rainです。Saint Snowの1stシングルをあまり聞く時間がなかったからこその解釈でもあるので、これについては読者の皆さんはまた別の感想を抱くかもしれません。

 

 この曲は冒頭雨音から静かに始まりました。曲に入ると同時にステージ上のスポットライトから細い筋となって降り注ぐような光が印象的ですね。サビに入るとさらにそこにレーザーが加わり、扇状に広がる光が青や水色を添えて画面をよりカラフルにしてくれます。

 

 そんな演出を前に、あまり曲を聞いていないことも助けて、私は曲の一番のあいだ素直にこれを雨の表現のように捉えていました。ステージ上部から降り注ぐ照明は雨を、サビで加わるレーザーの青はそこへ水や冷たさの印象を加えてくれる。Saint Snowにはめずらしいローテンポな曲調もあいまって、私はその静謐な雰囲気に引き込まれました。

 

 しかしこの曲の照明もLonely Snow Planet同様非常に動きの少ない照明です。ゆえに歌詞が頭の中にスラスラ入ってくる。するとどうでしょう、先ほどまで雨と水に見えていた照明演出が、構成自体は全然変わっていないにもかかわらず、二番に入ると違って見えてきました。ステージに注ぐ細く白い光は、雨上がりに雲間から差す日の光に、サビで加わる水色は雲を突き抜けて澄み渡った空を眺めたような印象を与えてくれます。

 

 雨はやがて止むもの。辛いことの後にはきっといいことがあるという歌詞のメッセージをまるで追体験したようでした。このメッセージは意識を鹿角理亞という人物に引き付けていきます。ルビィちゃんに最初にキツく当たってしまったこと、ひとり立ちしようと空回って、返って姉の期待に応えられなかったこと。アニメの中に描かれない人生の中でも、理亞ちゃんにはきっとたくさんの似た辛い体験があったことでしょう。その度にその雨を越えて一歩一歩成長してきた理亞ちゃんに想いを馳せると、彼女の中で聖良さんがどれだけ大きな存在であったか、そしてひとり立ちする今、彼女がどれだけ成長したかが窺い知れます。

 

 構成自体が変わらない照明演出を人の体験に読み替えるのであれば、この演出は当時辛かった体験が、それ自体は何も変わらないはずなのに、時が経つことでそれもまた思い出になったりと見方が変わることを表したような演出だったと感じました。

 

 

 

おわりに

 

 つらつらと書き連ねて、すでに五千字。皆様ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございました。

 

 Saint Snow 1st GIG ~Welcome to Dazzling White Town~ を概観して振り返ってみると、今回のライブは今までのSaint Snowの思い出を胸に、新たな躍進に胸を膨らませるライブだったなと感じます。それは上に書いた個々の曲での演出の積み重ねに他なりませんが、とりわけLonely Snow Planetが白一色に尽きたことが大きいなと思います。

 

 1stと言っているんだからきっと2ndもある。そう信じて、これまで赤青白、水色ピンク白と染まってきたSaint Snowが、次は何色の景色を見せてくれるのかに期待して、これからのますますの活躍を願いましょう。

 

 もしこれを読んで改めてアーカイブをみる方がいらっしゃったら、配信は11/15(日)の23:59まで、チケットの購入は同日の21:00までですので、お気をつけください。

 

 改めて、最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。この謝辞をもって締めの言葉にかえたいと思います。 

 

 

 それでは皆様また会う日まで、お元気で!